直接このページに来た人は入口から入ってください....

名古屋城は少し危険(前編)

何度も言うがこの話はukkyoの空想、作り話である可能性が極めて高い。
ここにある人物像だけでukkyoの人間性を判断されるのは甚だ不本意であり
本当はもっと常識のわかるいい人間であると主張したい。


姫路で迎えた明け方、オレたちはあわてて身支度を整える。
後5分でラブホテルの延長料金を払わなくてはいけないからだ。
バタバタと3人の男たちがフロントを駆け抜けていく。
フロントマンはどう思っていたのだろうか。
金の無い若造ども?
それとも三角関係

数時間しか寝てないし昨日の酔いと疲れがまだ残っている。
テンションは否応なく下がっている。

「名古屋かあ・・・・。」

全員が思ってはいたものの誰も口に出さない。
とりあえずその辺をブラブラしながら京都のオレの部屋に帰ることになった。
もうこのダーツ旅行は終わりを告げるのかな、とまで感じたほどだ。

京都に着いたとき、一人の男が合流した。

友人Cとしておこう。
ここで不思議に思う人は鋭い。
前の「姫路城を攻め落とせ!」でオレは悪友Aと悪友Bを紹介した。
なぜこいつだけ友人Cなのか?
それはこの友人Cがオレたち悪ノリグループにとってまれにみる常識人であるからだ。
危険なこと、常識に反することをオレたちがやろうとすると必ず止める。
オレたちがそれでも聞かないときは自分はここに残るから行って来いという。
社会的に見ればオレたちよりはるかにすばらしい人間なのだ。

だがこのダーツ旅行において法律はオレたちだ。
ここはオレたちの悪ノリ色に染められた独立国家だ。
ここでは奴だけが善人であるということは限りない「悪」だと判決を受けた。
よってオレたちはこの友人Cをダーツ旅行には誘わなかったのだ。

だがここで一つ計算違いが起こった。
それは、この友人Cはオレたち悪ノリ3人組のことが
大・大・大好きだったということだ。
どこからどう噂を聞きつけたのかは知らないが奴はオレの携帯に電話してきた。

友人C:「・・・・今、何処にいるんだ?」

オレ:「えっ、どこって・・・別に・・・なんで?」

オレは引いてしまった。
なんかとんでもなく悪いことをしている気がしてきたのだ。
何故かというと、友人Cは電話での第一声で既に半べそ状態だったのだ。

とにかくその場はごまかして電話を切りオレたち3人は控訴された裁判を開始した。
舞台は最高裁判にもつれ込む。
奴の犯した一番重い罪は言うまでもなく

悪ノリするオレたちを制止し、テンションを下げること

であった。
弁護人のいない裁判は続き、状況は友人Cにとってますます悪いものになっていく。
だが、そこに提出された最後の証拠品がこの裁判の流れを大きく変えることになった。
そして判決は翻った。
オレたちは友人Cを呼び出し名古屋へと向かうことを決めた。
裁判をひっくり返した証拠品の名は「オレたちはもう大人」というものであった。

途中、オレの部屋でいったん休憩という名の宴会を挟む。
とりあえず国外追放を免れた友人Cに罰金としてしこたま酒を飲ませたのは言うまでも無い。
だがここでまた予想外の出来事が起きた。
つぶれたのは悪友Bだったのだ。

ほぼ酔いもさめたオレたちの横で悪友Bは眠りこけている。
時間は夜中。
どうする、オレたちも寝て明日の朝出発しようか。
と、思ったがそれはやめた。
オレたちは悪友Bに

「コンビニに酒買いに行くぞ。」

などと言い、無理やり車に押し込んだ。
案の定、悪友Bはすぐにまた眠りこけた。
しめしめ、と笑うオレたち。
そして車は走り出す。

名古屋へ!

姫路に行ったときとは対照的に静かに静かに車は行く。
悪友Bを起こさないように・・・・。

そして

「・・・・ん?」

目を覚ました悪友Bが辺りを見回し、様子がおかしいことに気付いた。

「ここどこ?」

と問いかける悪友Bにオレたちは声を合わせて切り返した。

「名古屋みゃあ!!」

旅は続く。
ウヒャウヒャ笑いながら旅は続く。
この最高潮のテンションでオレたちが向かったのは言うまでもなく

名古屋城だった。


後編へ続く


TOP
BACK