2002年8月某日 |
バンドを組んでいた。 けっこう硬派なRockバンドだ。 20代半ばを過ぎて定職も持っていない人間がやっているということは たいてい皆それで食っていくつもりなんだろうし、オレもそうだった。 そのバンドが解散した・・・ 甘い考えかもしれないが音楽を仕事にしようと思っていた人間が突然それを失うということは サラリーマンで言う突然のリストラみたいなもんである。ただし退職金はない。 ・・・さて、どうしたもんか。 まさか自分が経験することはないだろうと思っていたものが次々とこれでもかといわんばかり、頭をよぎる。 面接、通勤、ストレス、安月給、有給、ボーナス(後半は妄想有) およそ経験したことのない敵たちと戦っていかなければならないのに対し、オレが持つ武器は、、、ナイ。 大学は辞めた。 「社会人・・・・」 つぶやいてみても実感がない。 仕事などいつでもできると思ってたが、いざとなると何をすればいいのやら見当もつかん。 いままでいろいろしてきたバイトはほとんど接客業。 これはこれで好きだ。ただこれを一生したいとは思えない。 結局は将来的に役立つものは何も積み上げてこなかったということか。 う〜〜ん・・・・・ 途方にくれるという言葉の本当の意味をおぼえた日。 |
啓示 |
友人の何気ない一言を思い出した。 「お前は絶対プログラマーに向いてるぞ、お前もやれよ。」 その友人はすでにその業界で仕事をしている。 そういえばオレが中学生の時にBASIC触ってたとかいう話をしたことがあった。 オレが数学得意だって事も知ってるしな。 「そうか、プログラマーかぁ・・・。」 この時点で心は決まっていたのだろう。 オレの人生 はじまりはいつも暴走 なのである。 さらにその暴走に命をかけれる体質ときたもんだ。 「よし、やろう。やってやるぞ。」 事前知識は全くなし。 音楽やめたらやってみたいとは思ってたが、やるかどうか分からんものに時間を割くようなライオンハートもない。 目前の逆境が困難であればあるほど燃えてくるという性格は、おそらくマンガの読みすぎだろう。 まずは入門書を買わなければ。 言語はJavaってやつ、あいつがいいって言ってたから。(適当) 思い立ったが吉日。着替えて本屋へGOだ。 |
本屋にて |
「ナンダ、コレワ?」 その本の量にびびる。 Javaと書かれたそのコーナーには確かにJava入門書も有る。 だがその他に「JSP」、「サーブレット」、「デザインパターン」・・・などとおよそ聞いたことの無い言葉をタイトルに持つ本が山ほど。 これ全部憶えなきゃならんのだろうか。 「やべえな、今回も見切り発車だったか。」 ただ、性格上もう何度もこんな経験はある。絶望などしない。 悟ったようにオレはつぶやく。 「・・・・・・・・・・やるしかねえ。」 27歳の夏。 |