直接このページに来た人は入口から入ってください....

大東京単身赴任(第2部)

〜 幸せは不満から 〜



会社に出社して数日。
オレに与えられた仕事は「見学」らしい。
実は1週間後にもう一人の内定者が来るのだ。
その人と一緒に研修をスタートさせるという。
だからオレはそれまで特にやることがない、というわけだ。
仕事時間の大半は自習を中心としつつのんびりやっている。

こんな状態だから数時間かけて社員規約などを読むこともできた。
いろんな資料を見ていくうちにいろいろこの会社の状態がわかってくる。
まず最初に感じること。
それはオレが前の会社で見てきた常識はここでは常識ではない、ということ。

何しろオレが最初に出社した日のことだ。
そこにはオレの机、業務用PC、ノートPC、携帯がすでに用意されていた。
福利厚生も完備されている。
会社負担の生命保険や資格受験費の補助など。
さらにこの研修中も出張手当の半額にあたる金額が土日を含めて毎日支給される。
単身赴任となると夫婦で別々に暮らすから何かと金がかかる。
そう思ってたけどこれでずいぶん楽になった。

さらにさらに、オレは以前東京での就職を打診された時あっさりと断った。
それはなぜかというと、もちろん家族や親戚、友人の事情が大きい。
しかしそれ以外にも引越し代がかかる、という事情があったのだ。
だが、転勤に関する規約を読んでビックリ。
引越し代、不動産屋への手数料、礼金、2回分の下見の交通費。
これらが支給されると言う。
はっきり言ってこちらの負担はほとんどない。

人事担当はまさかオレが金が出ないと思ったから断ったなんて知らないだろう。
おそらくこのような補助がでることは当たり前、という感覚だ。
これが世間の常識か?
いや、わからない。
しかしここでの常識はこれだ。

オレは何も知らずに大きな機会を失うかもしれなかった。

東京を断り、大阪でも採用されなければ終わってた。
この就職はなかった。
その後でこれら補助の話を聞いていたらどうなっていただろう。
寒気がオレを襲う、容赦なく襲う。

あ、危ねぇ〜・・・。
オレはなんて贅沢な要求を通していたのか。
それがたまたま通ってしまった幸運に感謝しなければ。

さて、来週からもう一人の新人と共に研修がいよいよ始まる。
がんばるしかない。
ここではオレはプログラマではない。
昨日できたオレの名刺にはシステムエンジニアと明記されていた。
つまりSEだ。
SEといってもオレの場合プログラム設計をするわけでもない。
あくまでも商品販売のためのサポートである。

少し自分の立てていたプランとは道がそれてきた。
だが、これでいいと思っている。
そもそも最初のプランはオレがこの業界のことを何も知らずに立てたプランだ。
状況を知り、臨機応変に対応するのは当然のこと。
方向性が変わったとは捉えていない。
方向性が広がったと思っている。
その広がった選択肢の中で、オレは次に何を選んでやろうかと。
どんなことをやってやろうかとワクワクしながら考えている。

こんなことを考えている時のオレはほぼ間違いなく半笑いだ。
顔がにやけているはず。
そしてその時が一番幸せを感じられるときである。

オレが幸せを感じる原動力。
それは未来に対する果てしない希望。
それを実現するための現状の問題、その解決方法の模索。

そう、オレは今ある程度幸せではあるが。
まったく現状に満足などしきっていないのだ。

何があろうが、なかろうが。
自分が行くと決めたところに向かってただ進むだけだ。

続く...


今日の一言

久々の闘魂モード

妄想と現実の狭間
TOP
BACK