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職探しプロジェクト(第14部)

〜 花の都 〜



面接から数日後、そのメールは来た。
タイトルはズバリ「面接結果のご連絡」

来た・・・・・緊張する。
緊張に耐え切れず、すかさずメールを開けて読む。
すると前半はかなりいい感じの言葉が目に入ってきたのだ。

「前向きな姿勢はよく理解できました。」

「ぜひ採用したい人材」

おお!いけたのか?
いけたんじゃねぇの?
と、そこから急展開。

「ただ、ネットワーク系のスキルがない」

「育成が必要」

「大阪での直接採用が難しい」

あぁ。。。。。
ありゃりゃ、駄目だったのか。
と、最後に意外な文面が。

「東京転勤での採用の可能性があれば・・・」

なぬ?
東京?
東京なら採用ってことか?
やった!

いやいやいや

待て、ちょっと待て。
落ち着け、オレ!落ち着け!
東京だぞ。
大東京だぞ!
いくらかかるんだ引越しに。
無理に決まってんだろ。

ん〜、いやでも年収700万あればすぐに取り戻せるし・・・。
え?年収??

再度待て。

もう一度そのメールをよく読んでみる。
すると。
穴が開くほど読み返してもそのメールには年収に関する記述がなかった。
面接時の印象で想像すると700万はないはず。
じゃあどれくらいもらえるんだ?
それが全く分からない。
分からないのに東京に行くとかそんな一大決心を立てなきゃいけんのか?

「行きます!」

って言った後に年収300万なんて言われたらオレはどうすればいい?
オレがそんな人生をすり減らすようなボケをかましたとして。
それにきっちり突っ込んでくれる人は東京にいるのだろうか。
いや、大事なのはそんなことじゃない。
こんな時までウケを狙うことを優先するな。

ふぅ〜〜〜〜〜。
一息ついてその日と次の日の2日間。
よ〜く考えた。
そして思ったこと。
まあ確かに年収700万あれば別だ、話は全てひっくり返る。
でもそれはないだろうから、いい線いったとして年収500万としよう。

それを受け入れ、東京での生活を始めるとしたら。
オレは家族、親戚のいる故郷を遠く離れる。
妻も実家を離れめったに帰れなくなる。
いつかはそういう日が来ると思っていたがそれは今なのだろうか。

そして仕事はどうだ。
会社としてのネームバリューは今の会社よりはずっと上だ。
だが開発には関わらない。
技術的な勉強はできると思うが8割は営業に近いとも言っていた。
新しい勉強が出来ている間はそれでもいい。
しかし一通りの勉強が出来たら多分2、3年で辞めるだろう。
やはりオレは技術に携わり開発がやりたいのだ。
その時に、30過ぎのオレは開発に戻れるのだろうか。

やはり問題が多い。
以前は700とか800とかいう数字がこの辺の問題を蹴散らしていた。
やはりお金は偉大だ。
しかし今は違う。
他のところより多少いいとしても大差はなさそうだ。
それならばやはり、やりたい仕事で選ばなくてはいけないのではないか?

オレはM氏にこのことを伝えた。
そして了解をとった上で東京での勤務を断ることにした。
そうなるともう大阪勤務での可能性など残されていないだろう。
オレはそれも全てわかった上でその日メールを返信した。
少しもったいないかな、とも思っていた。
なにしろ紹介がなければ絶対にオレのキャリアでは入れないところだ。
メールにはこう書き添えておいた。

またご縁があればよろしくお願いします、と。

続く...


今日の一言

大体1回も行ったことないのに

裏切られた期待
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