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職探しプロジェクト(番外編2)

〜 恩返し 〜



数週間前、オレの携帯にメールが入った。
高校の同級生の女友達だ。

「彼氏募集中の子がいるんだけどコンパの予定とかない?」

なんと。
オレは目を疑った。
実のところオレはコンパなどとはあまり縁がなかった。
周りを気にせずガンガン酒を飲むほうが好きだからだ。
そのオレにこんな依頼が来るとは、よっぽど困ってんだな。
だけど彼氏かぁ・・誰か紹介できるかなぁ・・・・。

はっ!

いるではないか、適役が。
独身、彼女なし、給料使い放題のM氏が。
M氏のおかげで転職が決まったオレ。
これで大きな恩返しができるのかもしれない。
友達も救えて一石二鳥だ。

オレはさっそく一人ピッタリの人がいると返信した。
M氏は35歳、向こうは28歳。
・・・うん、まあ、いけるんじゃないか?
7歳差。
愛に年齢など関係ない。
嘘だと思うなら巨人のペタジーニを見ろ!
愛は見事に歳の差を乗り越えている。
ペタちゃんと奥さんの歳の差は・・・。

えっ20歳差?!

えっ友達の母ちゃん?!

いや、それはやりすぎだろう。

ペタちゃん、ゴメン。
オレには理解できない。

まあでもペタちゃんから見れば7歳差なんて早生まれで学年が1つ上みたいなもんだ。
全く問題ない。
M氏、待っててください。
最高の恩返しができそうです。

数日後。
オレとオレの友人、そしてM氏と28歳の彼氏募集中の4人が出会った。

焼肉屋で。

M氏がここに行こうと言ったんだが。
なんで焼肉なんすか?
初めて出会う女の子ですよ??
ん〜まあでも楽しそうだからいいか。

4人は会話もはずみ仲良く焼肉をつつく。
けっこういい雰囲気なんじゃないの?
ひょっとしたらこのまま交際スタートなんてことに・・・。

オレはさらにM氏を持ち上げる。
ものすご〜くお世話になっている人なんだ、とか。
この方のおかげでオレは就職先が決まったんだ、とか。
オレとM氏の関係を怪しまれるくらいM氏を持ち上げた。

さぁどうだ。
みんなで楽しい一時を過ごし、焼肉屋を後にする。
とりあえず今日はここまでだ。
M氏は名刺を渡していたので連絡は取り合えるはず。
発展してくれるといいなぁ。

こんなにも素直な気持ちで人の幸福を願えたのはいつ以来だろう。
人は優しさを受けることで優しくなれる。
きっとうまくいく。
オレをこんなにも優しい気持ちにさせてくれたM氏なのだから。

しかして後日、M氏の言葉を聞いてオレは驚愕した。

M氏:「もっと若い方がいいな。」

えぇ〜!!

続く...


今日の一言

えぇ〜!!

大東京単身赴任編
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