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職探しプロジェクト(第9部)

〜 レアキャラ再来 〜



気候も転職も台風の予感で忙しい日々。
とある懐かしい人から電話があった。

なんと、樫原君である。

そう、進行状況に何度か登場していた早口トーキングマシーンだ。
なにやら人を紹介してくれるとのこと。
誰だろう?
そしてなんの話だろう?
とにかく週末に樫原君とオレ、そして初対面のT氏と会うことになった。

金曜日、不安と共に待ち合わせていたところに2人は現れた。
とりあえず飯でも、ということになって近くの店に入る。
まあ軽い自己紹介と世間話で場がなごんでT氏がどういう人なのかを聞いた。

T氏は35歳の男性でフリーでSEやプロジェクトマネージャ、さらには開発もしている人らしい。
おお、素晴らしい。
ある意味オレの理想とする形態でもある。
技術的な話に対する素養もあり、だからといってマニアックな空気に身を包んでいるわけでもない。
スポーツもするし、本も読めば映画も好きらしい。
T氏という人を徐々に知り興味も持つようになったが、まだ1つわからないことがある。

オレはなぜここに呼ばれたのか?

樫原君の気まぐれ??
まぁ普通にそんな気まぐれを起こしそうなキャラでもあるが・・。
などと考えている間も樫原君はペラペラペペラといつもの調子。
う〜ん、わからん。
喋っている内容もいつも通り速すぎてわからん。
でもせっかく彼が与えてくれたこのきっかけを大切にしよう。

オレは半ばBGMのように聞こえてきた樫原君のトークをバックにビールを飲んだ。
焼酎も飲んだ。
そしてとにかく楽しい話をした。
T氏もフットサルをやっているらしい。
そのうち練習試合でもしましょうなんて、実現しないんだろうなーと考えながらも約束した。
開発経験談、将来的なプランなどなど本当に興味深い一時を過ごしてそのうち食事会は終わりを告げた。

オレ:「それではまた。」

オレのこのセリフ。
これを言うときオレはいつも思うことがある。

次はもうないかもしれないな。

オレは酒が入ったり、大人数がいる場所でこそテンション最高潮のお調子者になる。
だがその実、生まれつきと〜っても人見知りをする性格なのだ。
今でも付き合いのある友人達に対してもそう。
自分から遊びに誘うなんてことはまずない。
オレが所属する友人グループには必ずみんなをリードして引っ張る人材が必要なのだ。
そうでなければどんなに仲がよくてもそのうち連絡が途絶えてしまう。
寡黙で恥ずかしがり屋な父と底抜けに明るかった母、その両方の血をしっかり受け継いでいるようだ。

楽しい一時を終え、オレは日常に戻る。
もう、魔法は時間切れだ。
家に帰り、眠りに着いたらいつもと同じ朝を迎える。
そうか、オレはシンデレラだったのか。
ふと高校1年生の時を思い出す。

そういえばオレ、文化祭の劇でシンデレラ役だったなぁ・・・。

シンデレラをパロディ風にアレンジしたその劇は最優秀賞。
ってそんな話はどうでもいい。
テンションが高い方のオレの話だ。

家に帰り、眠りにつく。
明日は土曜日。
少しはゆっくり眠れるかなといつも思うんだ。


そして

朝8時。
やっぱり目が覚めて、そしてやっぱりしょうがなく起きてPCの電源を入れる。
今日は何をする?
ダラダラしてたらまたネットサーフィンで時間を無駄にしてしまう。
まずはメールチェック・・・・。


T氏からのメールだ。


昨日のお礼、と思えば続きがある。
なになに??
開発者を探している、らしい。
興味があれば一度お話させてください、とな。

オレは2つ返事で是非聞かせてください、と返信した。
T氏はオープンソース(フリーソフトみたいなもの)も手がけるらしくその話のようだ。
一緒に開発しませんかってことだろうか?
そうなるとこれは仕事ではなく有志を募っているということになる。
確かに金にはならないがいいかもしれない。
経験豊富な人のすぐそばで仕事では得られないものがあるだろう。
転職活動で忙しいがやれる範囲でやってみるのも面白いか。
とにかく話を聞こう。

今までに経験したことのない話の展開にオレは少し胸が躍った。
そして樫原君に感謝した。

樫原君、君はどういうつもりだったか知らない。
そしてそれを聞こうにも聞き取れない。
でも、ありがとう。
オレが今までしてきた仕事は金と知識と経験以外にも素晴らしいものを残してくれていた。
あ、金は残ってないけど。
とにかくありがとう。

まだ何かを成したわけではない。
でも確実に自分の中で何かが動き出した気がする。
この感謝と情熱を胸に、今までどおり頑張っていける気がした。
オレは間違っていなかったと思ってもいいのだろうか。

続く...


今日の一言

だからまだ早いって

旦那、それは無謀ですぜ
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