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職探しプロジェクト(第10部)

〜 旦那、それは無謀ですぜ 〜



T氏と会うのを楽しみにしながら仕事をすること数日。
また少し意外な出来事があった。
それはM氏によるもの。
このM氏は出向先の社員さんでよく一緒に飲みに行っている人だ。
この人との思い出は酒を飲みバカな話をしながらバカ笑いしてるくらいしかない。
そのM氏が突然言う。

M氏:「ukkyo君、会社辞めるんだったら○○に就職すれば?」

○○って・・・。
この仕事をしている者ならば大抵知ってる超有名な外資系大企業である。
またバカ話を始めたな?仕事中だってのに。
オレもまたそのノリで返す。

オレ:「あ〜、採用してくれるんなら行きましょうか〜。」

軽いジャブだ。
相手のジャブに対しジャブで返す。
このジャブの応酬がオレとM氏の会話パターンだ。
それに終わりは来ない。
ずっと2人でジャブジャブやって第3者のツッコミを待つ。
ここにいけてないツッコミが来ようものなら攻撃の矛先はその人に向かう。

だが今日は予想外の展開だ。
オレは次のジャブでマットに沈みかけた。
ジャブって言うか、ストレートだ。

M氏:「今○○の人と仕事してるから紹介してあげるよ。」

M氏:「ちょうど募集してるところなんだって。」

なんとM氏、本気である。
マジですか?
しかも技術者募集?
○○がですか?
大体そういう大企業はSEやプロジェクトマネージャーなど上流工程の募集しかない。
まだまだ技術を身につけたいオレはあまり興味がなかったのだ。
へー技術でいけるんならそんないい話はないよなー。
まあ本気になんかしてないけどね。

などと考えているとM氏、電話とか始めてるし。
いい人がいるんだけど、とか言ってるし。
ええ?現実になっちゃうの?
少しドキドキしながら経過を見守る。
電話を切ったM氏は言う。

M氏:「人事に回してくれるからプロフィール送ってくれだって。」

あ、そりゃそうか。
この電話で決まるわけがないじゃないか。
バカかオレは。
そこで書類選考をして、面接や試験で色々試されて、それで認められれば採用ってことだ。
いうなれば普通の就職活動だ。
そこで落とされて終わり。
簡単な筋書きは一瞬で完成した。

まあとりあえずそういう経験もしてみようか。
大企業ってのを一度この目で見てみたいし。
家に帰ったオレはそこの中途採用情報を調べてみた。
求められるスキルには数々の開発経験、技術、英語力などが書かれている。

無理だ。
絶対に無理だ。
ありえない。
なんかプロフィール書くのも嫌になってきた。

さっそく次の日、オレはM氏に伝えた。
あまりにも無謀ですぜって。
まあ確かに失うものはないから話のネタに行くのは面白いけど。

するとM氏、また電話。
なになに?
採用情報に書いているのはあくまでもあればいいというくらいの意味で書いていると。
あんまり気にすることないんじゃないの?だって。

へぇ〜そうか、じゃあ行ってみよう。
とにもかくにもプロフィールを送ってみることにした。
書類選考で落ちようが何しようが気にすることはない。
この「進行状況」に使わせてもらうだけだ。

逆に開き直ったオレはノリノリでM氏に聞く。
給料とかってどれくらいあるんですかね?
するとその返答にビックリ。
年俸制だからこっちからいくらくれっていうんだよ。
800万くらいって言えばいいんじゃないか?だって。

「倍率、ドン!」

大橋巨泉が頭に浮かんだ。
は、はっぴゃくまんえんってそのまま倍なんですけど、今の。
無理っしょ〜。
篠沢教授に賭けるより可能性低いって。

・・・・もういいや。
ここまで来たらピエロでもいい。
かませるだけのハッタリかましていってやる。
800万くれって言ってやる。
いや、700万くらいにしようかな・・・。

まあしかし、あれだ。
こういう機会をもらえるっていうのがうれしい。
よく聞く言葉だけど、技術者も最後は人間相手なんだって、あれホントだな。
感謝、感謝。

続く...


今日の一言

ハッタリは訴えられない程度に

モーマンタイ
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