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大阪物語(第13部)

〜 緊張の冬 〜




日本の冬。
イベント盛りだくさんの冬。
クリスマスに正月、雪山、バレンタインデー。
オレはことあるごとに人に言うのだが行事ごとがあまり好きではない。
だがみんなで集まってワイワイ騒ぐのは大好きだ。
祭り好きなのだ。
だがこれらのイベントの多くは祭りとは性質が大きく違う。

クリスマス
三十路も近くなるとクリスマスパーティーなんてあまりやらなくて、皆自分の彼氏彼女と過ごしたがる。
高校生みたいにイブにみんな集まって飲み会なんてやらなくなった。
だからパス。
オレはクリスマスいらない。

正月
大賛成。
今年も大晦日に高校時代の友達を家に集めすったもんだの大騒ぎをする。
引越ししてきてからずっと隣の部屋の人と会うたびにさわやかスマイルを繰り出してきた。
それは全てこの日にマンション管理者への苦情が出るのを未然に防ぐためのものだったのだ。
正月はあったほうがよい!

雪山
祭りという観点でみると雪山は近いものがある。
2泊3日でスノーボードでも行こうもんならそりゃ楽しいだろう。
でも寒い、パス。
昼間にスノーボードせずにロッジでみんな酒を飲むというのなら行きたい。
だがそれは現実的ではないし雪山である必要も無い。
よって雪山いらない。

バレンタインデー
チョコレートは大好きだ、貰えるのならうれしい。
だけど女の子は義理チョコだから特に悩む必要もなく適当なチョコを買ってくれるんだろう。
それに対してこちらのお返しはものすごく悩む。
今時マシュマロのお返しなんてあまりないからだ。
精神的なプレッシャーが大きくて困る。
さらにバレンタインデーは祭りでもなんでもなく、大騒ぎできない。
よっていらない。

ここまでが今までのオレの日本の冬に対する印象だ。
だがこれに今年から大きなイベントが追加された。

ボーナスだ(やっと本題に入れた)

12月半ばを前に、世間は既に多くの人がもらっていた。
まさか・・まさか・・・。
このまま何の連絡も無しでうやむやになるとか・・・。
うちの会社ではあり得る話である。
徐々に不安になっていくある日。
自宅のメールアドレスに会社より一通のメールを受信した。

賞与の件

実にあっさりとしたタイトルのメールを恐る恐る開いてみた。



(原文)
お疲れ様です。
賞与の通知は、15日に発送予定です。
よろしくお願いいたします。



内容もさらにあっさりという感じであるが・・・おお!
あるのか?あるんだな?
と喜びかけた自分をオレは戒めなければならなかった。
待て、通知が15日に発送されるというだけだ。
その通知には


ボーナスはありましぇ〜ん(>_<)


と書かれているかもしれないではないか。
安心するな。
気が大きくなってパチンコでも行ってしまったら取り返しのつかないことになる。
一年所属して得たこれがこの会社との付き合い方なのである。

オレは数日の間、非常に不安定な時間をすごした。
これでもし、ボーナスがなかったら辞めよう。
そう決意していた。
もはや年収240万では自分の未来をつむいでいけない、と感じていた。

そして来る12月16日。
一通の封筒が届いた。
まず最初に目に入ったのは売り上げが目標額に届かなかったという微妙な文章。
言い訳から入ってる、やばいな。
と思いながら賞与明細に目をやった。
そこに書かれていた賞与金額



3万円



・・・かと思いきや、30万円!?


0が一個多いんでないの?
オレはもうドキドキである。
しかし予想外に喜んだオレを素直にそのまま喜ばしておかないのがうちの会社なのだ。
給与明細の下のほうに次の文章が追記されていた。



(原文)
10月以降売り上げを考慮支給させていただきました。
3月実績にて清算支払い致します。
協力お願いします。



なんだそれ?
3月実績?清算?
どういうこと?
なに?
12月には支払えないってこと?
清算されて金額が減るってこと?
意味がわからないんだけど、この文章。

わからない、不安だ。
こういう金の出入りの時期や金額は正確に知っておかなければならない。
でないと年末までの飲み会でのドンチャン騒ぎ加減に影響してしまうのだ。

しかたない、ザコキャラPGであるオレに唯一与えられた武器

社長にメール

をまたしても使うときが来たようだ。
早速オレは派遣先から社長にどういう意味なのかと質問メールを送った。
次に出社したときには結論が出ているだろう。

続く...


今日の一言

はい、サブタイトルは「金鳥」とかけとります(照)



甘すぎるミルクティー
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