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大阪物語(第10部)

〜 マリオネット 〜




悪銭苦闘の末、会社から2UPキノコをもぎ取ったオレは再度心に誓う。

「いくぞ、このままオレのプログラマ人生をBダッシュで駆け抜けてやる。
崖っぷちから思いっきり助走をつけて、飛び上がってやる。
最上段に手が届き、見事ゴールを駆け抜けるオレを6発の花火が祝福する。」

またも意味のわからない妄想に長時間浸れるオレは幸せ者だ。
これからもきっと、何匹ものクッパ大魔王に遭遇する羽目になろうことなど頭の隅にもない。

だがしかし、確かに給料2万円UPという一つの結果は形を成した。
わずかな前進かもしれないが、明らかに後退ではない。
オレは進んでいる、プログラマ道を。
そして、自分の会社と派遣先との一月の契約額22万円UPという一仕事をやり終えたオレは、新たな仕事にまた闘志を燃やしている。




ん?





22万円???







2UPキノコ????????







さ、差額(20万)はどぉこいったんじゃ、くぅぉるぁぁああああ!!!


・・・・と言いたい気持ちをぐっっっとこらえて飲み込んだ。

まぁ待て。
つい最近ごねたばっかりじゃないか。
それに契約金が上がったのはそのあとのことだ。
きっと3ヶ月に1度あるという給与見直しの時にあげてくれるはずだ。

もう一度、もう一度自分の会社を信じてみようではないか。
今は新しい仕事も始まるし、資格の勉強もしなくちゃならない。
あまりつまらないことに心を奪われすぎるのは得策ではない。
クールにいこう、クールに。

業務中にモニターに向かって頭を抱え、必死に仕事上の問題を考えるフリをしているオレは、そう思い頭を上げた。
次の仕事の説明を受けるのだ。


「・・はい・・・はい。」

うなずくオレ。

「なるほど・・・・はい。」

遠い目をして一つ一つかみしめるように話を聞く。

「ええ・・ええ・・・大体わかりました。」

打ち合わせを終えたオレは席に戻り、もう一度今聞いた話を頭で繰り返す。

Javaと言っていた。
Javaプログラマであるオレはもちろん知っている。
DB・・・データベースのことだよな。
アクセス、オラクル、受発注、バッチ処理・・・・・。

「よし、大丈夫。全部聞いたことある!。」


・・・大丈夫なわけが無い。
どうやら社長や会社とのイザコザを乗り越えたおかげで変なクソ度胸だけはついたようだ。
オレが研修を受けてから数えて1年という月日が流れていた。
その時間がオレに多少なりとも知識と自信を与えたのだろう。
だがその頃上司のSEに聞いた話にオレはわずかばかりの不安をおぼえた。

パソコンに不慣れな中高年者に講習などでパソコンの使い方を教えるときがあるらしい。
そして多くの場合、女性の方が圧倒的に覚えが速いらしいのだ。

理由はこういうことらしい。

40や50という歳を迎えた男性は仕事ではある程度の役職についている。
そうなるとわからないからといって素直に人に聞けなくなっている、というのだ。
なんとか自分で解決しようという心意気は確かに評価できる。
だがもともと教えてもらうためにそこにいるのだから聞けばいいではないか、と思うだろう。
なのにそれができないというのだ。
自信、誇り、照れ、あらゆる感情がマイナスに作用しているのだろう。
こうなるともう成長は望めない。

危ないところであった。
たかだか1年の経験などでオレは自分に大きな足かせをつけてしまうところだった。
だがオレの悪運はまだまだ尽きてないらしい。
そんなちっぽけな自信など鼻くそのごとく吹っ飛ばされる日々はもう目の前に来ていたのだ。


続く...


今日の一言

鼻くそを飛ばすのではありませんよ、念のため



わけわかんねぇ、いやホント
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