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次なるステージへ

〜 新生活スタート 〜



さて、新しい会社での仕事が始まった。
といってもオレに与えられた特別な仕事はまだない。
今のオレにできることをしながら、今後オレに何ができそうかを観察している。
営業の会議に出たり、研修生の指導をしたり、サーバ環境を整備したり、などだ。
そして自分のやりたい開発というのも行っている。
まだ大したことはしていないが、社内システムなどをいじりながら勘を取り戻している。
会社から帰るのは大体9時を回ったころだろうか。

オレは基本的に残業はしないと言った。
ではなぜ、今こんなに遅くまで仕事をしているのか。
実はこれは、オレの中で残業という意識はないのだ。
オレは、自分が家でやりたいと思っている開発作業をただ会社で行っているだけだ。
会社の方が集中できるからそうしているだけのこと。
当然、役員のオレに残業代は支給されない。

6時までは会社のための仕事をし、6時以降は自分のための開発をする。
これでオレは非常に充実した時間を過ごせているのだ。
今までは会社で開発作業などできなかった。
そんなことはオレの役割ではないからだ。
だが今は違う。
オレが開発力をつけ、今後何らかの事業になる「かもしれない」ものを作ること。
それもオレの一つの仕事として認められているのだ。

オレが2年、開発から離れていたことによって、オレはずいぶんと世間から置いて行かれた。
それを取り戻し、新たなものを作ろうとしているその気持ち。
それだけでこんなにも気分よく仕事できるとは思わなかった。

正直言ってオレは少し前まで、もう自分に開発はできないかもしれないと危惧していた。
前の会社で色々な仕事を目にしてきた。
開発したソフトウェアを売る人、売る戦略を考える人、売るために技術的なサポートをする人。
そんな色んな仕事をみたことにより、開発だけが重要なのではないということを学んだ。
そんなオレが開発メインの仕事をまた楽しむことができるのだろうか。

しかし、それは杞憂だったようである。
日々技術や開発のことを頭の片隅に置き仕事ができる環境が、オレはやっぱり好きだ。
こんなに1日の24時間を有効に使えている感覚はこの2年間なかった。
以前書いた時間管理というもの。
そこに1つ付け足さなくてはならない大事なルールを見つけた。
それは

好きなことをやること


好きなことに近づける仕事を選ぶこと


とても基本的なことだ。
しかし、オレはこの選択肢を選ぶのに少し遠回りをした。
もちろんそれはそれでいい経験になったわけだが。
しかし、下手をするとここに戻ってこれなかった危険性もある。

なぜなら、まず第1に前の会社の方が収入がいいから。
額面でおそらく100万ほど年収は下がった。
出張手当などもおいしかった。
さらに、あと9か月ほど勤務していれば退職金を受け取る資格も得ることができた。
この額は勤務している間に増加していく。
そう考えると、この転職によって金銭面ではかなりのマイナスがあるのだ。
もちろん新しい会社で絶対に挽回してやろうとは思っているのだが。

そして第2に、仕事が楽だった。
出張さえなければ毎日ほぼ必ず5時半に帰っていた。
出張も拘束時間の半分くらいは新幹線だったりするので、楽だと思っていた。
きっと転職すれば遅くまで仕事するだろうし、体はきつくなると考えていたのだ。

だが、オレは転職を決意した。
これらのデメリットはある。
だが、自分のやりたいこと、進みたい道をこれ以上抑えるのが、ただ面白くなかったのだ。
どっちが面白いか、それがオレの人生の岐路における判断基準なのだ。

そして新しい会社に来てわかったのだ。
この選択は正解だったと。
確かに収入は下がった。
しかし、この充実感はなんだ。
楽しい。
仕事が楽しいのだ。
家が近いのも一因だとは思うが、9時まで仕事をしても体がきついなどと感じない。
休日に家で開発をしたりすると、なぜか気が引き締まらず集中できないことが多い。
しかし、会社だと違う。
雰囲気的に自分をすぐに戦闘モードに持っていけるのだ。

オレはこの2年、家で開発するしかなかった。
仕事からの帰宅後、もしくは土日。
そして、それはなぜか効率が上がらなかった。
その謎が解けた。
オレは家で仕事をするような性格にはできていないのだ。
オレにとって家=自由なのだ。
何をしてもいい時間。
そんな時間に仕事をやってもどうしても他のことが気になる。
ゲーセンにも行きたいし、見たいテレビもたまにある。
時間になれば晩飯も出てくるし、それを作ってくれる妻もいる。
12時になればお決まりの晩酌が始まるし、これは何よりも優先される。
それらはすべて楽しいことだが、自分の将来のための活動をするにはすべて邪魔なものだ。

将来楽しむためにする行動と、今楽しむためにする行動は違う。
オレはそこのケジメがつけられないグータラだ。
だからこそ、オレは自分が頑張れる環境に身を置くことを意識しなければ。
会社で開発している間、オレは酒や漫画のことは忘れられる。
今、オレはまさにそういう環境にいるのだ。
これは時間管理において最も重要なことではないかという気もしてきた。

人が自分の好きなことに取り組む力は偉大だ。
オレは最近、自分の成長スピードが停滞していると感じ始めていた。
だが、今では自分の成長をとても楽しみにしている。
そういうワクワク感をうまく持続させることが、幸せの秘訣なんだろう。

続く...


今日の一言

ふつふつふつ・・(闘志がわく様子)

プロ道ラストオフ(前編)
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