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帰国

〜 年俸後悔(2) 〜



明日。
明日が例の年俸更改、その当日となる。
2人の部長と顔を向き合わせて交渉する場である。

オレは決めかねていた。
強気にいくか、従順になるか。
がめつくいくか、爽やかに流すか。
もちろん金は多ければ多いほどいい。
だがその後の仕事がやりにくくなるのも困る。

向こうはもちろんできるだけ経費は抑えようとしてくるだろう。
本来出せる限界の額をいきなり提示してくるとは考えにくい。
ということはゴネれば多少は上がる、その見込みが高いといえる。
だが、オレにそれができるのだろうか。
いや、難しいな。
会社や組織によっぽどの不満でも無いと無理だ。
ここに転職したときのようなエネルギーを今出そうとしても出ない。
あのときのオレは怒り、不満に満ちていた。
負のエネルギーを利用したからこそ普段言いにくいことをズバズバ言えたのだ。


仕方ない。
今回はすんなりサインするか。
そして
「来年はしっかり貢献してガッツリ貰います!」
というような前フリくらいに抑えておくか。
はぁ、損な性格だな。

ゴネ得。
残念ながらそうなのだ。
ムカついたらムカついた。
嫌なら嫌。
そうやってはっきり言う人の方が得するんだな、今は。
でもオレも含めてそれができない人が多い。
いや、それが日本という国ではなかったのか?
本当は怒っているが、耐え忍んで笑顔を見せる。
それが日本人の美徳ではないのか?
同じ日本人ならその気持ちを汲み取れなければいけないんじゃないのか?
外資系だからといって心までメリケンでどうするんだ。


ちっ、アメリカナイズしやがって。
オレはノー天気なアメリカンロックが好きじゃない。
アメリカンロックの大御所バンドの曲とかでも歌詞を読んだらなんとまあ。
結局言いたいのは「アイ・ラブ・ユー」だけかよ!ってのがままある。
重みがないのだ。
まあ実は当たり障りのない曲で一般客を掴む、という狙いがあるのだろうけどな。


すまん、少しスネてみただけだ。
まあ、実際・・その・・・。

ゴネるなら辞めれば?

って言われても困るから今回は大人しくしといてやるよ!

続く...


今日の一言

出た!逆切れ

年俸後悔(3)
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