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起業準備

〜 痩せるな 〜



大変なことになってきた。
最近うちの嫁との馴れ初めなどを書いたりしていた。
今回はちょっとその馴れ初めはおいといて現在の苦境を書きたい。

何を隠そううちの嫁。
ここ最近、順調に太ってきていたのだ。
順調にって別に自分の嫁が太っていくことを喜んでいるわけではない。
これにはある事情があるのだ。

オレが研修で3ヶ月ほど東京に住んでいたころ。
嫁は毎日のように家で晩酌をしていたようだ。
また、たまに東京に出てきてはオレの部屋に1週間ほど居座るのだ。
そして関西では手に入らないような食べ物をこれでもかと食い歩いたのだ。
そりゃ太るわな。
以前は45Kg程度だった嫁はいつしか53Kgの体重を維持するようになっていた。
さすがにあご下の肉も目立ち始め、本人もかなり気にするようになった。
そろそろダイエットするんだろうな、なんて思いながら見ていたものだ。

ところが全然しません。

そのうちダイエットするから、などと言いながら食うわ食うわ。
オレには色々厳しく制限するくせにこの嫁ときたら・・・。
今では痛風寸前のオレのメインメニューは野菜。
でっかい寸胴に野菜てんこもりのスープとか味噌汁が作られる。
それを1週間くらいかけて食べるわけだ。
それがなくなったらまたその寸胴に今度はシチューなんかが作られる。
今度も野菜たっぷり。
いつしかオレはその寸胴が火にかけられているのを見ると嫌な気分になるようになったのだ。
たまに作られるミートスパゲティが心から待ち遠しくなっている。
こんなことを書いている今日も朝に野菜味噌汁をもちろん食った。
おそらく夜になるとまた食うんだろう。

こんな嫁がだ。
自分に対する態度のなんたる甘いことよ。
人に厳しく自分に甘くを地で行っているようなもんだ。
だが、みるみるうちに増えるあご下と体重にさすがに危機感を感じてきたのだろう。
いよいよダイエットを決意したようである。
ある日、嫁はこんなことを言い出した。

嫁:「年内に46Kgになったら10万円のバッグ買って。」

エサがないと動けんのかお前は・・・。
オレはブランド物には一切興味がないから忘れたけど。
たしかグッチだったかプラダだったかそんなメジャーなところのバッグだ。
しかもその金が家計から出るのであればオレはなんにも困らない。
好きにしてくれってなもんだ。
だが、最近は貯金が趣味の嫁にとってその額を減らすことは許されないことらしい。

金はオレの小遣いから出せという。

こ・・・この野郎・・・。
勝手に自分で太っといて元に戻ったらオレの小遣いよこせだと?
某国の総書記かお前は。
どれだけ自分に都合のいい頭の構造してやがる。
そんな意識で絶対に痩せられるわけないだろう。
そう、無理。
絶対に無理だ。
だから逆に考えれば何にも問題はない。
嫁が年内に目標を達成することなどあり得ないのだから。
結局オレは年内に46Kgに体重が落ちれば10万のカバンを買う約束をした。
嫁の希望通りオレの小遣いで。
絶対に無理だしそんなの。
それ以来このことはオレの頭の片隅にも残っていなかった。

さて。
そんなこんなで今年もあと少し。
街はクリスマス一色だ。
嫁が世にも恐ろしい一言をこぼしたのだ。

嫁:「年末の体重検査っていつやるの?」

ん?
ああ、あの話か。
まだ覚えてたんだ。

オレ:「別にいつでもいいけど、じゃあ31日にしようか。」

そう答えた瞬間、オレはハッとした。
なんか、嫁の奴、前より少しほっそりしてないか?


血の気が引いた


こいつ・・・虎視眈々と狙ってやがった。
オレの寝首を!!
そういえば最近、一緒に晩酌はするものの嫁はめったにつまみに手を付けなかった。
飲む量も断然控えめになっていた。
まさか・・・まさか!!
やっちまうんじゃねぇだろうな、46Kg。
洒落にならない。
それは洒落にならない。
オレがセコセコと貯めてきた株投資の資金。
それも最近のパチスロの不調のせいで徐々に減っていたところだ。
早く金を株に換えてパチスロ生活に少し距離をおこうと思っていたのに。
株に換わる前にカバンに変わっちまう!
そうなったらもう次はいつ株を買えるかわからんぞ。
もう3つほど証券会社の口座作ってんのに。

嫁よ、早まるな。
お前はまだ痩せちゃいけない。
来年にしろ!な!

続く...


今日の一言

ホント頼む・・・

太るな
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