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起業準備

〜 うぇっぷ 〜



出張に行った。
富士山のふもと。
新幹線を降りると目の前にドーンと富士山が見える場所だ。
そこに一泊して二日にわたり客先で作業をする。
技術者はオレともう一人、11歳年上のコテコテ関西人Mさん。
お互いの嫁同士は同い年だったりする。
このMさんはオレの一週間後に入社した。
そして一緒に東京研修を受けたこともあって仲がよいのだ。
東京ではオレがパチスロばっか打ってたからあまり遊ばなかったが。

となれば今日は飲まないわけにいかない。
客先での作業もそこそこに二人はホテルに引き上げた。
まあ続きは明日やればいいからさ。
今日は飲もう飲もう、てなもんだ。
まったく、とんでもない技術者達だ。

そんな良心の呵責など全く気にも止めずに二人は行く。
夜の街を徘徊する。
そしてようやく見つけた店、その名も「祇園」。
ここまで来といて祇園かよ、とかそういう突っ込みは無しにして、と。
ちっちゃな小料理屋、みたいな感じだ。
ママが立っているカウンターの前に腰を下ろし、二人は飲み始める。
最初はやっぱりビール。
痛風が心配だといってもこればっかりは譲らない。
料理とビールで二人のテンションは一瞬にしてあがる。
そう、このMさん。
酒が入ったときのテンションはオレととてもよく似ている。

程なくしてビールジョッキは空になる。
ビールの次は?
そりゃ焼酎でしょ。
グラスで頼む?
ボトルのが安いでしょ。
こんな感じだ。

酒を酌み交わし、肴をつまみ、二人はホントに幸せ者。
あれやこれやと話をしながらグイグイ飲む。
もちろん焼酎は2本目に突入。
するとおいしい客とでも思ったのか、ここらでママが話しかけてきた。

ママ:「お二人は関西の方ですか?」

二人ともバリバリの関西弁で喋ってたからなぁ。
ええそうですよ、と他愛もない関西ネタを話す。
特に関東の人なんかは関西人ネタが好きな人が多い。
関西人同士が話してたら漫才みたい、とか。
熱狂的な阪神ファンしかいない、とか。

実はこれらは完全な事実ではない。
アメリカ人が日本人はみんなチョンマゲだと思ってるようなものだ。
だが、悲しいかな。

関西人はチョンマゲ的な人がかなり多いのも事実。

特に狂気じみた阪神ファンはホントに実在する。
電車の一車両を占領するとか噂を聞くけど多分本当にやってるんだろう。
ま、オレには関係のない世界だ。
会話が全て漫才というのも当たらずも遠からずだ。
人にもよるがオレなんかは人のボケを見逃さないように注意している。
ボケというものは多くの場合、ツッコミとセットで面白くなる。
せっかくいいボケをしたのに誰もツッコまないとこれは悲惨だ。
ボケた人がすべったような印象を回りに与えてしまうのだ。
ボケとはいつもリスクと隣り合わせ。
そこにいるメンバーを慎重に見極めないと安心してボケれない。
その点このプロ道は楽だ。

自分でボケて自分でツッコめるから。

ああ、話がそれた。
オレがどれだけ楽しくプロ道で文章を書いているのかはおいといて。
こんな関西ネタを話すと案の定ママは喜んでくれた。
サービスでいくつか料理を出してくれたほどだ。
さらに帰りにはお土産として落花生まで。
オレ達はその落花生と飲み残した焼酎のボトルを持って店を出た。
(もちろん焼酎持ち出しの許可はおろす前に取っている。)
だが、オレとMさんはこの時かなりフラフラ。
それでもMさんの部屋で2次会を開くのに何の疑問も抱かなかった。
いつまで飲んだのかもあやふやだ。

そして朝。
きた。
二日酔い、きてるよ。
この世のものとは思えないしんどさ。
それでも体を引きずるようにホテルのロビーへと行く。
だが、Mさんは現れない。
ま、まさか・・・・。
部屋まで迎えに行くと・・で、出た。
Mさん寝起きです。
この瞬間、客先への遅刻は余儀なくされたのだ。
Mさん、40歳にもなってだらしない・・・。
どれだけしんどくてもオレのように客先で打ち合わせできないと。

・・・・。

うぇっぷ・・・・もう駄目だ。


そしてオレ。

あえなく客先でリバース ○| ̄|_オエェェェ

続く...


今日の一言

ばれてないことを祈る

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