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起業準備

〜 スマイル 〜



3日間かけて新製品の研修を受けた。
講師はアメリカ本社から招いた28歳のイケメン。
まあそれは別にいいとして、もちろんその講師は英語でしゃべるわけだ。
うちの会社は業務で英語を使用することは今までほとんどなかった。
だから外資系とは言え、それほど英語が達者じゃ無い人もかなりいるんじゃないかと思ってた。
そしてそんな社員のために、同時通訳まで用意してくれているのだ。
やっぱりそうだ。
けっこう英語わかんない人いるんだ。

もちろんオレもそうである。
多少TOEICの勉強をしたくらいでは全然ダメなのはわかっていた。
生の英語にたくさん触れないと会話はできない。
これをきっかけにもう少し英語が聞き取れるようになればいいな、てなもんだ。

ところがところが。
研修が始まった途端オレは度肝を抜かれた。
研修を受けていた20人くらいのメンバーの中。
英語を聞き取れないのはオレを含めて3、4人だったのだ。
しかもその3、4人とてかなり理解はできているようで、確認程度に通訳を聞く感じだ。
ほとんどついていけてないのは、もはやオレだけ。

会場内は異様な雰囲気だった。
みんな通訳はいても、英語は当然わかっているという意識なのか。
質問もバンバン英語でするのだ。

イン・イングリッシュで!!

君達、何のために通訳の人を雇ってると思ってるんだ。
日本語で聞きたまえ、日本語で。
そして、さらに。
こんなオレのような人のため。
いや、ていうか半分くらいオレのために。
通訳の人は、うちの社員が英語でした質問を日本語に逆翻訳してくれるのだ。
オレは研修の間ずっと、後ろめたい恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。
あぁ、早く終わって欲しい。
3日間よ、疾風のごとく過ぎ去ってしまえ。

しかし。
本当にオレが辱めを受けるのは研修の2日目のことだった。
今まではほんの序章に過ぎなかったということか。
研修が昼休みに入ったとき、オレは上司に呼ばれたのだ。

講師と一緒に昼食に行こうと。

そしてオレも、まさかあそこまでの事態になるとは露知らず、安請け合いしてしまったのだ。
昼食時、6、7人のメンバーが集まって寿司屋に行くことになった。
その中にはもちろんアメリカ本社の講師がいる。
そして、さらに予想外に。
香港とシンガポールからこの研修を受けに来た人も同席したのだ。
もちろん彼らも英語でしゃべる。
するとどうだ。
昼食を食べに行くメンバーのうち、約半分は日本語が通じない。
そしてオレを除く全てのメンバーは英語でなら会話ができる。
いわずもがな。
その昼食で交わす会話は全て、まさに全てが英語になってしまった。

突如窮地に立たされたオレ。
TOEICで練習したおかげか一部の単語は聞き取れた。
だから何とか会話の意味がおぼろげにはわかる。
しかし、問題はしゃべれないということだ。
インプットの練習は多少したが、アウトプットは全くできない。
オレは、とにかく飯を食うことだけに専念することにした。
こっちに話が飛んでこないことだけを祈って。

・・・・・・・。
まあ、わかってはいたが、そんな祈りは通じないものだ。
オレは突如シンガポール人に質問された。
・・・なんとなく聞いている意味はわかる。
わかるから答えたい内容も頭に浮かんでいる。
だが。

それを英語でどう言ったらいいのかが、思い浮かばないんだ!

しょうがない。
こんなときはあれだ。
世界中で通用する、万国共通の武器。
そう、「スマイル」で凌ぐしかない。

シンガポール人:「ペペラ、ペラペラ、ペペラ??」

オレ:「(⌒ー⌒)」

シンガポール人:「ペラ、ペペラペラ??」

オレ:「(*´ー`) 」

シンガポール人:「・・・・・」


よし!乗り切った!

続く...


今日の一言

乗り切ってねぇ!!!

何コン?
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