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起業準備

〜 二十歳の先生 〜



最近「はてな」という会社の話を本やネットでよく耳にする。
有名な「はてなダイアリー」を開発した京都発のベンチャー企業だ。
京都の会社ということでかなり前から気になっていた。
近藤社長は若く、確かオレと同い年くらいだったと思う。
始めは登録者数も伸び悩んだようだが昨今のブログブームで一気に人気に火がついた。
去年に東京進出を果たし、業績は好調である。
社員数10人程度のこの会社に一流企業からの転職希望者も多いとのこと。

うらやましい。
率直にオレはそう思った。
若くして社長でいることがうらやましいのではない。
業績好調な会社を運営していることがうらやましいのではない。
もちろんそれらもうらやましいと言えばうらやましい。
だが、オレが何よりも嫉妬を覚えるのは。

この人は生きたいように生きている。

という雰囲気が伝わってくるからだ。
この人は自分の感覚に任せて仕事を生み出している気がする。

もちろんオレもこんな仕事の仕方がしてみたい、という願望がある。
しかし、それは組織内の常識と手続きに潰されてしまう。
いや、潰されてしまうとオレが思い込んでいる。
あえて組織に革命を起こそうというほどのモチベーションが持てないのだ。
あくまでオレにとって会社は人様の城だ。
こっちの思うがままにいじくってはいけないと感じてしまう。
生来の引っ込み思案なところが出てしまうのだ。

オレはやはりオレの城を持たなければいけない。
でないとオレの本当の持ち味というのは出ないのだと思う。
だから、そのための準備期間を今過ごしている。
で、オレにとってはこの準備期間というのが曲者だ。

オレの自己分析としてオレは非常に腰が重い。
しかし動き出したら俊敏。
プログラマになろうと決意したあの日々の瞬発力がそれを証明している。
しかし、そのきっかけとなったのは「バンド解散」という外部的なイベントだ。
それに引き換え「起業したい」というオレの欲求は内部的なもの。
内部的な欲求から行動を起こすまでがオレは遅いのだ。
何事も準備は大切だが、準備で終わってしまっては意味がない。
オレはそろそろ動き出さなければいけない局面を迎えているのかもしれない。


と、ここまで書きながら。
オレはやはり煮え切らない自分を感じている。
今の生活、これはこれで楽しい。
貯金も順調に増えており、不安も少ない。
オレが何らかの行動を起こすには少なからずリスクを背負わなければならない。
今の生活を捨てる覚悟がいるということだ。
もう少し貯金を増やしてからでもいいのでは?
などと考えてしまう。
これは正に今の会社に入る前にオレが危惧していたことだ。
余計なものを手に入れてしまうからそれを失うのが怖くなる。
はぁ・・・・。

これを書きながら聞いているネットラジオからホテルカリフォルニアが流れてきた。
イーグルスの代表曲。
10年くらい前によく聞いていたな。
あの頃のオレに相談したとしたら何て言うだろう。
きっと明日にでも会社に辞表を出せなんて言いやがるんだろうな。

ったく。
二十歳の若造の癖しやがって。
お前の生活なんだそりゃ。
メチャクチャじゃねぇか。
まぁ・・・・面白かったけどな・・・。

一つ思い出した。
人生の岐路における、オレの意思決定の基準を。
それは面白いかどうか。
友達に喋ってウケるかどうか。
これだった。

そうは言っても二十歳のオレを完全に信用してはいけないのだ。
あいつは基本的にただのアホだから。
ただ、人生ウケ狙いというオレの基本方針により忠実なのはあいつだな。
アホが故に盲目的にそれを実行していた。
あの頃より大人になったオレにもうあいつの真似はできない。
それが悪いことだとは思わないが、少しだけ以前のオレを見習う必要性も感じた。

といってもまだ、腰の重いオレの行動を引き出すのに十分なモチベーションは持てない。
もっともっと、こんな思いを貯め続け、あふれ出すときに行動が伴うのだろう。

続く...


今日の一言

そりゃ明日辞表は出せんだろう

蝉丸を探せ
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