ネット上にてポール・グレアムという人の公演内容の邦訳を読んだ。 これには正直言って衝撃が走った。 ネットを徘徊していると多数の文章にぶち当たる。 どれを読むかはその時々の気分やきっかけ、運などもあるだろう。 しかし、オレはいつ出会ったとしてもこの文章は目に留まったはずだ。 そのタイトル「就職なんてもう古い」に惹かれたのだ。 大げさなタイトルをつけて人をひきつけようとしているのだと思った。 しかし、読み進めていくうちにその間違いに気づく。 この人は本当に心から起業を勧めている。 しかもプログラマにだ。 ビジネスマンじゃない。 プログラマに起業せよと言っているのだ。 以下、オレが感銘を受けた部分を織り交ぜながら感想を書く。 もちろんかなりこの人の引用を含んでいる。 まず現在のインターネット上の3大勢力は誰もが知っている。 そう、Yahoo、Google、マイクロソフトである。 その3社の起業時の年齢を平均すると24歳。 若い。 いや、うわさにも聞いていたし若いのは知っていた。 しかし、改めて年齢を聞くとやはり若い。 もちろん彼らはズバ抜けて優秀だったに違いない。 だが、優秀なだけの人間ならこの広い世界にいくらでもいると思うのだ。 ビル・ゲイツはプログラマだった。 しかし、世界一のマイクロソフトを作り上げた彼は世界一のプログラマではなかった。 そんな逸話をこれまたネット上で、どこかのブログで見かけたのだ。 彼は自分の会社の社員とのプログラミング勝負で負けている。 その相手は伝説的な日本人プログラマであったらしい。 もちろんビル・ゲイツはすでにプログラマを辞めていた。 参考にはならないかもしれない。 ただ、恐らくビルが世界一のプログラマかという問いには大多数がノーと言うだろう。 ポール・グレアムの言葉を要約するとこう言っているように聞こえる。 彼らは最も技術的に優れたソフトウェアを作ったのではない。 最もユーザーが望むソフトウェアを作ったのだ。 そして自らがユーザーに評価される道を選んだのだ、と。 普通、我々は企業に評価される。 企業は我々を値踏みするのだ。 この社員は恐らくこれくらいユーザーから評価される、と。 そしてユーザーはというと我々ではなく企業を評価するのだ。 通常の場合、我々が企業に受ける評価はユーザーの評価よりも少し低めだ。 企業の利益、運営資金を天引きする必要があるから。 しかし、ユーザーの評価を予測するのは簡単なことではない。 時に我々に対する企業の評価は高すぎたり低すぎたりする。 特に若い社員の評価が低すぎる、とポールは言っている。 その理由の一つとして若者は人間的に未成熟だからとも。 確かに、起業当時の19歳のビル・ゲイツは社会人として未成熟だったろう。 多少そのような若さゆえのエピソードも知っている。 しかし、彼はマイクロソフトを作れたのだ。 特にインターネット上でのビジネスを行うとき。 こちらが何歳かなんてユーザーにはわからないし、ユーザーも興味はない。 そのサービスが欲しいかどうかだけなのだ。 オレもそろそろ起業を考えているなんて言いながらまだ感じている。 オレはまだまだ若造だ、と。 社会人としての経験も3年しかない、と。 それが何か言い訳のような気がしてきた。 確かにたった3年だ。 しかし19歳のビル・ゲイツよりは社会経験があるんじゃないか? もう動き出してもいいのではないか? 今の会社で働くことが自分にとってそんなにも有意義なことだろうか。 ひょっとしたらとても貴重な時間をすり減らしているだけなのかもしれない。 ただ、19歳でないが故のデメリットもある。 いきなり会社を辞めるようなリスクは負えないということだ。 だけど何か逃げ道はあるんじゃないか。 オレがクリエイターとして、プログラマとしての生き方を取り戻す道が。 ここ1年、仕事やプライベートなど全てに対する意欲が半減していた。 しかし、久しぶりに血がたぎる。 久しぶりに来たのだ。 まるで今までの1年がこの大いなる決意のための休息時間だったように思う。 自分が変われば世界が変わる。 これがオレの持論だ。 いつもは何となく読み飛ばしていた文字に目がとまった。 「未踏ソフトウェア創造事業」 独創的なソフトウェア技術や事業アイディアを公募しその開発を支援する制度である。 これに応募して採択されれば開発資金が補助されるのだ。 その額は内容にもよるが時には1千万を超える。 ということは1年仕事を辞めても食っていけるのだ。 もちろん競争は激しい。 はっきり言ってオレが採択されるなどとは現状では思わない。 だが、そんな不安はオレのいつも通りの哲学で突っぱねるのだ。 ダメでもともと、失うものなどない。 必死に取り組み失敗したオレと、 日々ボーっと過ごして楽をしたオレ。 失った時間はどちらも同じだからだ。 続く... 今日の一言 「プログラマーへの道」復活なるか? |