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馴れ初めの成れの果て


うちの嫁のことを詳しく書くのは初めてだ。
嫁についてこれまで色んなところで断片的に情報を出してきた。

・怖い
・5歳年上
・プータロー生活を支えてくれていた(ヒモだった)
・怖い
・オレの3倍の収入を得ていた時期がある
・今は仕事を辞めて専業主婦
・怖い

心情的に同じ項目が何度か登場している。
これから徐々にこの嫁についての情報を出していこうと思う。

まず、最初に断っておくがオレに子供はいない。
嫁の主な仕事は家事全般だ。
飯を作って掃除して洗濯。
どれもこれもオレは大っ嫌いで絶対にできないことだ。
だからどれだけ大変なのかオレには知る由もない。
嫁が言うにもこれらの仕事は本当に大変らしい。

でもねぇ・・・。
なんか昼間はよくエステとか習い事とか行ってるみたいだけど。
実はけっこう楽なんじゃねぇの?とか思ったりしてる。
昔はヒモみたいなもんだったオレがいつの間にか仕事してる。
そして大黒柱だった嫁はいつのまにか楽しそうな生活。
いつの間に入れ替わったんだろう。
出会った頃はこんな展開になるなんて想像だにしていなかったのに。


〜 以下、回想 〜

大学に入学した4月。
オレは長年にわたる母親の束縛を離れてまさに有頂天だった。
夢の一人暮らし。
憧れのワンルーム。
この時のためにオレは高校生の時からあくせくとバイトしてきたのだ。
高校1年ではたこ焼き屋。
高校2年では回転寿司。
浪人時代はしゃぶしゃぶ屋。
例えば月の給料が3万8千円だったなら。
そこに小遣いから2千円加えて4万円貯金する。
そんな風に我慢して我慢して貯めてきた金があった。
その努力は全て今、最高のライフスタイルを満喫するため。
家具に電子レンジ、CDラジカセも即座に購入。
ここからオレは後先考えずとにかくやりたいことをやった。

学校なんか初日から休んでパチンコ屋。
飯はほとんどラーメン。
毎日酒に飲んだくれる。
目が覚めたらまたパチンコ屋。
親の目の届かないところで好き放題やった。

そして、その代償はすぐに請求されることになるのだ。
今日もパチンコ屋に行こうと思って銀行に金をおろしに行く。
ん?もう残高がなくなってきてるな。
20万以上パチンコと酒に使っちまったもんな。
そろそろバイトでも探さなきゃ。

え?20万??

そう、思い出したのだ。
この口座には親にもらった学校の前期の授業料20万も入っていた。

つ、使っちまった・・・・。

支払期限は?

約2ヵ月後

・・・払えなかったら?

退学

入学して2ヶ月で退学かぁ。
さすがにそれは避けなきゃならんだろう。
オレは急いで求人誌を何冊も購入。
とにかく早く、多く稼げる仕事を探した。
塾や家庭教師なんて時給はよくても労働時間に限界がある。
スピードを重視する今はできない。
そんなオレの目に止まったのはあるウェイター業。
時給1100円、一日7時間、週6日。
なんか普通にサラリーマンなんですけど・・・・。
しかしこれならギリギリ月10万ずつ貯金できる。
しかも仕事場も家から徒歩5分だ。
よし、ここにしよう。

オレは指定された面接時間の夜7時ごろにその場所へ向かった。
だが、面接場所に着く前にオレは目の前の光景に驚くのであった。
なんだこれ・・・・。
今までマンションを出てその方角に歩いたことなかったのだが。
オレが住んでいたのはどうやらネオン街の隣の通りだったようだ。
そう、祇園である。
そしてオレの向かう先はどう見ても祇園のど真ん中。
一瞬たじろいだが、やるしかない。
オレは店の入り口をくぐった。

店内は薄暗くてソファーやテーブルが並んでいる。
これからオープンする店と聞いている通りあちこちで面接が行われている。
それはオレと同じウェイター希望もいるが、女の子が圧倒的に多い。
そうか、そういうことか。
求人誌に書いていた業種「ラウンジ」っていうのが分からなかったが。
結局はクラブみたいなもんか。
女の子が男性客と話をし、酒を飲んで接客するということだな。

そうこうしているとオレの目の前に一人の女性が。
オレの面接官である。
勤務時間など一通りの説明や質問を受けた。
とにかくここで雇ってもらわなければオレは終わりだ。
だが、色々アピールしたいが当時のオレはまだまだ人見知り全開である。
言いたいこともうまく言えず、もどかしさを感じる。
今までこの性格でたくさん損をしてきた。
ちくしょう、またこの性格で失敗するのか。
だが、今回に限ってはこの人見知りが幸いしたらしい。
面接官にはオレが非常に真面目そうだと映ったようだ。

後で知ったことであるがこの面接官は当時主任という役職についていた。
ホステス達のまとめ役であり自分もホステスとして働く立場だ。
その主任がオーナーに対してオレの採用を勧めてくれたのだ。
そして、その場でオレの採用は決定した。

先の話であるが、この主任は数年後この店のママになる。
そう、そして。
さらにその数年後、オレの妻になるのだ。
オレは今でも妻が怖く、頭が上がらない。
その理由は簡単だ。
出会った時からすでにあちらはオレの上司だったのである。
当分、オレはこの人にこき使われて仕事をした。
まさか一生こき使われるなんて知る由もなく・・・・。




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